本『敗者のゲーム』新NISAの開始前に読んでみた
『敗者のゲーム』(チャールズ・エリス)を読んだ。
株式投資において「インデックス・ファンド」を推奨する本。
これまで2回読んでみたが、途中で挫折してしまった。
なぜ、2回挫折してしまったか。
目新しさを感じなかったからだ。
この本で、「アクティブ・ファンド」と「インデックス・ファンド」を、
過去の上昇率や手数料の差を用いて、比較している。
読み進めながらの感想は、
「なぜ、この著者のおじさんは、
こんな当たり前のことを、読者へ必死に説得しているのだろう。」
そんなことを思いながら読んでいた。面白みが感じられなかった。
でも、3回目の挑戦で読み終えた後、こう感じた。
目新しさを感じなかった理由は、現在では「インデックス・ファンド」の優位性が、
個人投資家の中で浸透しているからだ、と。
この本の初版が刊行されたのは、1985年。
米国で個人投資家向け「インデックス・ファンド」が設定されたのが、1975年という。
「インデックス・ファンド」が珍しく、当時の個人投資家は、「アクティブ・ファンド」の商品の中から、どれを選ぶかに力を注いでいたのだろう。
その時代に、個人投資家へインデックス・ファンドの優位性を訴えるのであれば、
必死に説得する必要があったのかもしれない。
現在は、違う。
この本の情報は、他の書籍、Web、YouTubeなどのコンテンツで、あふれかえっている。
ということは、
この著者が示した根拠は、現在は一定の層で認知されているということだ。
この本の内容に目新しさを感じられなかったのは、そういうことだ。
すでに社会の構造に組み込まれ、古典化しているから。
この本の中で、メモとして残しておきたい点は、以下のとおり。
新NISAを開始するうえで、すごく参考になった。
- アクティブ・ファンドよりもインデックスファンドを買うべき。
- インデックス・ファンドは米英・日本の大型市場など効率的な市場で、当てはまる。小型株やエマージング・マーケットでは、この通りではない。
- S&Pは、1966年のピークに戻るまでに16年、1929年のピークに戻るには、さらにそれ以上の時間を必要とした。
- あなたとの運用期間は、あなたの人生をカバーするだけでなく、家族の人生を含む。あなたが40歳で、子供が5歳ならば、子供の平均余命を含めて、80年以上だ。
- 投資のお金と日常のポートフォリオは分ける。
- 財産が自分自身の価値を示すと感じている投資家がいる。そういう人は、怒りっぽくなったり、些細なことにこだわる。そっとしておけばよい。
新NISAをどのように活用するか
この本を読み終えて、一番最適な運用は、これじゃないかと思った。
- マネーフォワードから証券口座の連携を解除する(一喜一憂しないため)。
- 高配当なETFを購入する(SPYD、VYM等)
- 年36万円(税引き後)の配当金が得られる額を購入する。
(利回り3%の場合、約1,500万円!) - 配当金を原資に、新NISAで、全世界株式の投資信託を購入する。
- 30年後、勝手に3,000万円が貯まる(30年、利回り6%)
高配当ETFを購入する際に、新NISAの成長株投資枠を上手く活用すると、もっと効果的な運用が可能かもしれない。問題は、まずは1,500万円を用意することにある。。。
「インデックス・ファンド」を用いた資産運用は、何もしなことに尽きる。